私なら使わない【妊娠・授乳中】痔のステロイド薬 | ウラの副作用
ウラの副作用。
つまり、
医療現場のウラ側から見たとき、予想のつかない副作用はいくらでもある。
病院に務めているからこそ感じる医師のグレーゾーンとは?
ヘモレックス・ネリプロクト・ポステリザンの強さ比較
妊娠中や、出産後、あるいは授乳中の育児ママでも「痔」で悩んでいる人は多い。
病院へ行くと、ほぼ間違いなく「軟膏(塗り薬)」や「座薬(ざやく)」が出されるが、気になるのが「ステロイド」の副作用。
痔の治療に使う「ステロイド処方薬」
- プロクトセディル軟膏
- ネリプロクト軟膏
- ヘモレックス軟膏
- 強力ポステリザン軟膏
- ポステリザンF座薬
などなど
一方、ステロイドを使っていない処方薬は。。。
- ポステリザン
- ボラザG
- ヘモリサット
- ヘルミチンS
- ロートエキス・タンニン
- GーNON
痔のステロイド薬 強さランク表
上記の外用薬を「ステロイドの強さ」で比較すると下記のようになる。
ストロンゲスト(最強) | |
---|---|
ベリーストロング(非常に強力) | ■ネリプロクト軟膏 (1g中)吉草酸ジフルコルトロン0.1mg |
ストロング(強力) | |
ミディアム(中程度) | |
ウィーク(弱い) | ■プロクトセディル軟膏 (1g中)ヒドロコルチゾン5mg ■ヘモレックス軟膏 (1g中)ヒドロコルチゾン5.0mg ■強力ポステリザン軟膏 (1g中)ヒドロコルチゾン2.50m ■ポステリザンF座薬 (1個中)ヒドロコルチゾン3.75mg |
強さでは「ネリプロクト」が突出している。
基本的に、「効きの強いもの」は副作用も強い傾向にある
ステロイドは体で どう処理される?
痔の治療なので、当然、陰部に使うが、「粘膜・陰部・傷口」というのは薬剤の吸収率が高い。
吸収されたステロイド成分は、
表皮(一番表面の皮ふ)の下にある「真皮」にとどまり
効果をあらわす
↓
血管にのって体内に流れ肝臓へ
↓
肝臓で代謝(処理)される
↓
便、尿で排出
という流れになっている。
やはり、ステロイドが体内をめぐるのだ。
「ステロイド剤」は悪か?
ステロイド軟膏は、色々な全身性の副作用が報告されており我々の不安をあおっている。
常習性があり依存してしまう傾向もある。
しかし、
逆に言えば、それだけ「効果の高い薬」でもあるし、それで救われたという人も数多い。
ほかの薬が効かない病気にも劇的に効いてくれるので、医療現場では重宝されている。
1953年に日本での使用許可が下りて、すでに60年が経過していることから「ステロイドは安全」との認識が広まっている。
つまり、
「白・黒」は判定しがたいのが現状。
大切なのは「使い方」
しかし、
実際に医療現場にいる僕から言わせると「人間の体に”絶対”はない」と感じる。
たとえ短期間の使用であっても、体内をめぐるステロイド成分が「胎児・赤ちゃんには100%影響がない」と、言い切れるのだろうか?
また、その保証をしてくれるのか?
誰もしてくれないだろう。
「痔の治療」にステロイド剤をどう使う?
痔の治療において、「ストロング以上」の強いステロイドを“長期間”塗り続けるのは、確かに良くない。
効きが強いので重宝するが、反面、副作用も出やすいからだ。
「長期間」とは(頻度や量にもよるが)一般的に3ヶ月~半年以上。
一方、
ステロイドを処方する医師によっても認識の違い、温度差がある。
特に「ネリプロクト」はベリーストロング(非常に強力 )に分類されているが、一般的に「ベリーストロング」以上の外用薬は「『皮膚科の専門医』以外は使うべきではない」という見解を示している皮膚科医も多い。
それだけ、慎重に使われるべきものなのだろう。
では、
ベリーストロング(非常に強力)に分類されている「ネリプロクト」以外の、ウィーク(弱い)ステロイドなら長期間使ってもよいのか?
ステロイド成分は少ないものの、体への影響が「ゼロ」であるという保証はない。
血中に入って体内をまわるのだから。
医師は、あくまで「過去のデータに基づいて」使っているにすぎない
「過去に事故がないから大丈夫」という意識で使っているのが現状ではないだろうか。
「絶対に大丈夫」という保証は誰もしてくれない
ましてや、上で書いたように「 粘膜・陰部・傷口」は薬剤の吸収率が高い。
出産や育児にあたって、「万が一」のことがないとは誰も言えない。
事故が起きたり、問題が発覚してからでは遅いのではないか?
あくまで「自己責任」で使うしかないのだ。
病院に文句を言ったところで取り合ってはくれないだろう。
TVでニュースが流れるような大きい事故になってはじめて対応に動くくらいだ。
妊娠中・授乳中の痔の薬について
ステロイド剤は、あくまで症状をやわらげるだけのものであり「痔」が完治することは少ない。
今の僕なら使わない(昔は知らなくて使ったが。。。)
あくまで応急処置としてとらえている。
※「痔の治療」に限ってのこと
それでも、
症状をおさえるためやむをえず使わなくてはいけない時もある。
その場合は、長期間使う事は避け、何か異常があったら、ひとりではなく「複数」の医師に相談するべきかと思う。
「セカンドオピニオン」だ。
医師というのは、いつも正しいわけではなくグレーゾーンで迷っている事も多いのだ。
そういう姿をウラ側から、かなり見て来た。
良く言えば「医師の苦悩」か。。。
悩んで出した結果が「正しいかったか?間違っていたのか?」
それが分からないままになっている事実が厳然と存在しているのだ。
「自分の体は自分で守るしかない。だれも助けてはくれないのだから」